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読んだり観たり聴いたりしたことを淡々と記録するブログ。基本的に小並感。

童童の夏 / 夏笳

童童が素直で良い。こういう子供を見ると元気になる(そして自分は歳を取ったなあと感じる…)。

機械で置き換えることで老人の体力的問題を解決し、老老介護を実現するという案は悪くないような気はした。 発話することもできない状態になってしまったおじいちゃんを人形にミラーするという発想もなかなか。人形に命を吹き込むという表現にこういうパターンもあるのかと。

こういう形での技術の生かされ方はありなんじゃないのかなあと。本アンソロジーで初めて良い気持ちになれたような気がする。

またこの作品は、あちこちの公園に毎朝姿をみせるたくさんのおじいちゃん、おばあちゃんたちにも捧げたい。彼らは太極拳をやり、剣を振り、歌曲を歌い、踊り、鳥を鳴かせ、絵を描き、書を嗜み、アコーディオンを弾く。死が迫るのを感じながら生活するのも、恐れるにはあたらないと教えてくれる。

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (Japanese Edition) (Kindle Locations 1907-1910). Kindle Edition.